選びたい、骨壷
KOMINKAN JAPAN Special Issue

選びたい、骨壷

骨壷を考えるきっかけ

骨壷が気になり始めたのは、父が亡くなった時でした。
その時は悲しみの中、他に悩む余地もなかったので、薦められるがまま、何の特徴もない無地の一般的な骨壷を選びました。こんな経験がある方もいるかもしれません。

「葬儀が済んだのちは蓋の裏に戒名、俗名、亡くなった日などを書いておくと後の人がわかりやすいですよ」とアドバイスを受け、それなら先祖の似たような壺と見分けがつくな、などと思った一方で、なんとなく寂しい気持ちになったことを覚えています。

納得して選ぶ

生前、会いに行けば私が着る服を「いいね」と言ってくれた父。
悲しみが薄れた頃にそんな事を振り返りながら「終の住い選びがあれではなぁ」と思いました。それまでの父の人生での物選びは、好きなもの、少なくとも自分で納得した物を選んできたはずだっただろうに。

そんなことから自分自身や自分の大切な人達の骨壷は、元気なうちに好きな物を、楽しく選べたらいいなと考えるようになったのです。

自分らしさを表現

私がまだ若いころ、ある喫茶店のマスターが、とある作家の壺を指して「これはいつか自分の骨壺にするつもりだ」と見せてくれたことを思い出します。
あのマスターのように、自分らしさを表現できたり、色柄、形でその人らしさが忍ばれる骨壷、自分を知らない子孫にも、この御先祖様はこんな方だったのかななどと感じてもらえる骨壷、そういうものが選べるといいな、と考えるようになりました。

終の住まいにふさわしく

そんな思いが膨らんだ頃、出会いがありました。それは春の訪れをフワッと感じた時の様な、やさしい桜の花の絵の壺。有田焼で有名な、佐賀県の有田で4代続く上絵付の職人 鷹巣佳之さんの作品です。
可愛らしく可憐な花柄モチーフや鶴のモチーフなど、どこかユニークで清々しく品のある絵は、壺という閉鎖された空間にも、無限の自由さを与えているかのような広がりを感じ、終の住まいにぴったりだと思ったのです。
ひと目で惚れ込んでしまい、今回ぜひにとお願いして、特別に骨壷を作っていただくことができました。

選ぶことが当たり前に

多くの人たちが骨壺に対して、こだわりを持ち始めています。これから終活の一つとして、自身で骨壷を選ぶことが当たり前になってくるかもしれません。
自分で選ぶ、大切な人と一緒に選ぶ、大切な人に選んでもらう。
人生に一度、一人にひとつのものだからこそ、とっておきのものをご提案し、大事な選択のお手伝いができればと思っています。

詳細はこちら↓
骨壷のラインナップを見る
鷹巣佳之さんについて

この記事を書いた人
代表 城島 薫