特集

雨の日の過ごし方

雨の日の過ごし方

雨の日も悪くない、と思えるようになったのはいつの頃からか。忙(せわ)しない気持ちが少し和らぐ気がします。梅の実が熟れる頃を「入梅」といい、この日から30日間が梅雨といいます。かつては「黴(カビの意味)雨・バイウ」と言ったそうで、昔の人も長く続くじめじめに悩まされてきたことがうかがえます。どんよりとしたお天気に気持ちが沈む時は、おいしいものを食べたり良い香りのアロマやお香を焚いたり、上手に自分を甘やかして乗り切りたいものです。また、思いきって模様替えを決行したり、じめじめ対策をすれば気持ちもさっぱりからっと晴れるはず。雨の日に出かけることほど億却なことはありませんが、心ときめくお気に入りの雨具があれば雨の日も待ち遠しいものになるのではないでしょうか?「長傘・折りたたみ傘」はこちらから↓tamaki niimeのよけよけ・よけおりこの記事を書いた人高塚(KOMINKAN JAPAN商品開発チーム・パパスアンドママスbowl店プロデューサー)

まだ見ぬシワの先へ

まだ見ぬシワの先へ

贈り物にはいつも頭を悩ませる。 恋人、母親、友人はまだしも父親という存在は特に悩ましい。 どんなものが好きなのか?興味があるジャンルは? 彼等に今でも血湧き肉躍るような瞬間ってあるのだろうか?...いくら考えても分からないし思いつかない。 (彼等は)いつも自分のテリトリーの中でお決まりのルーティンをこなしている様にさえ見えてしまうし、シワが深く刻まれた表情から喜怒哀楽を読み取るのは至難の業である。 あまり接点のない義父さんなら尚更のことであろう(汗)。 もし普段見せない姿を目にしたいのであれば、お孫さんかペットの前にいる彼等を覗き見るのが1番である。 話を戻すと、悩ましいが故に贈り物が決まらないのであれば色々考えるのを辞めて、世の中のテンプレートを拝借して簡単に済ましてしまうこともできる。 ただ本当にそれでいいのだろうか? 味気なさすぎる気もするし‥何も考えない自分って‥‥ 『父の日』って日頃の感謝を父親に伝えるのが本来の目的であるはずなのに、彼等のことを何も知らないし知ろうともしていない。これでは何に感謝してよいものやら。 そこで、まずは『(彼等に)興味を持つ事』をご提案。ただ何かネタが無いとなかなか会話が無いし、続かないと言うのであれば、1つ話題のタネになるようなストーリーのあるモノを贈るのがオススメ。それがきっかけとなり、会話が増え生き生きとした彼等の姿を目にすることで理解が深まっていく。きっとシワの数だけ話題には事欠かないはずである。 私は今年、酒器を贈ってオヤジとお酒を飲みながら、他愛もない話をあれこれしてみようかなぁ。愛すべき父親へ皆さん(あなた)の感謝がちゃんと届きますように。     詳しくはこちら↓   この記事を書いた人松尾[KOMINKAN JAPAN商品開発チーム・元パパスアンドママスバイヤー・パパスアンドママスマネージャー]

選びたい、骨壷

選びたい、骨壷

骨壷を考えるきっかけ 骨壷が気になり始めたのは、父が亡くなった時でした。その時は悲しみの中、他に悩む余地もなかったので、薦められるがまま、何の特徴もない無地の一般的な骨壷を選びました。こんな経験がある方もいるかもしれません。「葬儀が済んだのちは蓋の裏に戒名、俗名、亡くなった日などを書いておくと後の人がわかりやすいですよ」とアドバイスを受け、それなら先祖の似たような壺と見分けがつくな、などと思った一方で、なんとなく寂しい気持ちになったことを覚えています。 納得して選ぶ 生前、会いに行けば私が着る服を「いいね」と言ってくれた父。悲しみが薄れた頃にそんな事を振り返りながら「終の住い選びがあれではなぁ」と思いました。それまでの父の人生での物選びは、好きなもの、少なくとも自分で納得した物を選んできたはずだっただろうに。そんなことから自分自身や自分の大切な人達の骨壷は、元気なうちに好きな物を、楽しく選べたらいいなと考えるようになったのです。 自分らしさを表現 私がまだ若いころ、ある喫茶店のマスターが、とある作家の壺を指して「これはいつか自分の骨壺にするつもりだ」と見せてくれたことを思い出します。あのマスターのように、自分らしさを表現できたり、色柄、形でその人らしさが忍ばれる骨壷、自分を知らない子孫にも、この御先祖様はこんな方だったのかななどと感じてもらえる骨壷、そういうものが選べるといいな、と考えるようになりました。 終の住まいにふさわしく そんな思いが膨らんだ頃、出会いがありました。それは春の訪れをフワッと感じた時の様な、やさしい桜の花の絵の壺。有田焼で有名な、佐賀県の有田で4代続く上絵付の職人 鷹巣佳之さんの作品です。可愛らしく可憐な花柄モチーフや鶴のモチーフなど、どこかユニークで清々しく品のある絵は、壺という閉鎖された空間にも、無限の自由さを与えているかのような広がりを感じ、終の住まいにぴったりだと思ったのです。ひと目で惚れ込んでしまい、今回ぜひにとお願いして、特別に骨壷を作っていただくことができました。 選ぶことが当たり前に 多くの人たちが骨壺に対して、こだわりを持ち始めています。これから終活の一つとして、自身で骨壷を選ぶことが当たり前になってくるかもしれません。自分で選ぶ、大切な人と一緒に選ぶ、大切な人に選んでもらう。人生に一度、一人にひとつのものだからこそ、とっておきのものをご提案し、大事な選択のお手伝いができればと思っています。 詳細はこちら↓骨壷のラインナップを見る鷹巣佳之さんについて この記事を書いた人代表 城島 薫

MATINAへの込められた想い

MATINAへの込められた想い

アパレルの展示会。九州ではそのほとんどが福岡で開催されます。「ゴールドラッシュ」という合同展示会も、2か月に1回のペースで福岡のホテルの2フロアを借りて行われています。参加する展示社のほとんどがアパレルのブランドメーカー。そんなイベントスペースの中で、洗濯洗剤MATINA(マティーナ)シリーズを販売する牟田商会の3代目に出会いました。 アパレルの展示会に洗剤!? ちょっと不思議な空気感が漂っていました。牟田さん自身はお若くて、その場の空気に自然に馴染んでいらっしゃったのですが...話が始まると、牟田さんの熱意が溢れ出てくる!洗濯の事について、こんなに熱く語れる30代の男性っているんだろうか?それが正直な第一印象でした。そんな牟田さんとの出会いから、店頭でMATINAを販売すること約2年。お客様から「保育園の先生に洗濯物の匂いがけた違いってほめられたよー」とか、「ファンデーションやヘアオイルの汚れが綺麗にとれたよ」等のいろいろな反応を頂き、今ではリピーターの方もいらっしゃいます。 最近改めて牟田さんに、ずっと不思議に感じていた事を尋ねてみました。 「どうしてゴールドラッシュに出展しようと思ったのか」と…。 牟田さんの返答は以下の通りでした。 「私たちがアパレルショップやセレクトショップに取り扱っていただきたかったのは、洋服とのとても深い関りをお持ちになっているのはもちろん、お客様にお洋服の販売だけでなくその先の生活の中にあるお洗濯までフォローできる存在になって欲しいという想いからです。一般の洗濯洗剤は通常スーパーやドラッグストアで販売されているのが普通で、お客様が相談しにくい状況です。元々ずっと支えていただいているクリーニング業界での取り扱いも考えましたが、お客様自身が家庭洗濯のやり方を相談するにはハードルが上がってしまうだろうと考え、あえて全く知らないアパレルの世界に飛び込んだのです。」と。改めて牟田さんの想いの大きさを再確認すると同時に、私たちとの共通点も感じました。 それは私たちも同じ。「買ってからがスタート」 多くの販売員は売れればゴールと感じてしまいがちですが、私たちの会社では「お客様が買った後に、どれだけ有意義に、長く愛情をもって使っていただけるか」を想像し、販売時に使うワクワク感や、取り扱いのご説明も一緒にお伝えすることを心掛けています。牟田さんに出会うまでは、どちらかというと「洗い方」や「直し方」をお伝えしていました。しかし、MATINAは素材そのものを大切にするために考えられた洗剤。これを使うことでより効果があると感じました。これがKOMINKAN JAPANで私がMATINAを取り扱いたかった理由です。売る事よりも「使っていただく事」を考えた商品。もちろん売れないといけないのですが、限りなく使う側に立って作られた商品は隅々まで配慮が行き届いていて嘘がありません。ものを提供するにあたって、私はこれが絶対に大事なことだと考えています。そんなまっすぐな牟田さんが作っているMATINAシリーズ。ぜひ一度試してみてください。  詳しくはこちら↓こだわりの日用品セット(洗顔・洗剤・洗剤詰替え用・タオルセット) この記事を書いた人山口(オンラインストア責任者・KOMINKAN JAPAN商品開発チーム・元パパスアンドママスライフスタイルショップバイイング担当者・パパスアンドママスマネージャー・パパスアンドママス教育担当者)

長崎ハタ

長崎ハタ

長崎の風物詩といえば 4月上旬。春風が北から南にその流れを変えるその時期に、「朱(赤)」「青」「白」のオランダ国旗と同じ配色のシンプルで洗練されたデザインの長崎特有の凧「長崎ハタ」が揚がりはじめます。 『ハタ揚げ』は長崎くんちや精霊流しとともに長崎三大行事として江戸時代から長崎人に親しまれてきました。長崎を訪れたことのある方なら空港や駅だけではなく、何気なく入った商店や飲食店で長崎ハタを目にした方も多いかもしれません。 今でこそ『ハタ揚げ』を見かける機会はめっきり減ってしまいましたが、アラフィフ長崎人の私が幼かった頃に長崎の山々に揚がる数えきれないハタを見て、ばーちゃんが「山に花の咲いたごたるね(山に花が咲いているようだね)」と言ったその光景は今でも鮮明に記憶に残っています。   海外がルーツのデザイン 長崎ハタは、白色に着色するのではなく、手作業で刷毛染めした3色の和紙を切ってはぎあわせるのが特色で、日差しに透かしてみるとステンドグラスの様な趣があります。空に揚がった時に、離れた地上からでもよく見えるデザイン構成になっています。 当初はシンプルなデザインがほとんどだった様子。しかし、時代の流れとともに人々はデザインとネーミングに「独自性と粋」を求め、誰よりも目立つ格好のいいものをと競い合うようになったようです。  『波に千鳥』:波を乗り越え、大空に羽ばたいてこれからますます活躍できますようにという意味合いが込められています。 絞られた色数と、遠くからでも目立つ国旗にルーツを持つ洗練されたデザインは、今でも「かっこいい」と思える魅力があります。それに、ルーツが海外だからか、ノルディックデザインのようにも見えてきます。眼鏡橋のたもとにお店を構え、今回ハタの製作をお願いしている大守屋代表の大久保さんに長崎ハタの魅力を伺ってみたところ『一番の魅力はハタの色ば見ただけで何か元気のずっところですよ(笑)』とはにかんだ笑顔で答えてくれました。 大守屋代表の大久保さん 今回はモダンなデザインで現代の家屋にも馴染み易いサイズのものをセレクトしています。ご自宅の観賞用や贈り物としてみなさまの生活を元気に彩ってくれるはずです。 詳しくはこちら↓ この記事を書いた人松尾[KOMINKAN JAPAN商品開発チーム・元パパスアンドママスバイヤー・パパスアンドママスマネージャー]

伝統工芸・長崎ハタに魅了された人【後編】

伝統工芸・長崎ハタに魅了された人【後編】

ハタに魅了され、ハタ作りをしている大守屋の主人・大久保学さんにインタビュー。前編では、デザインについてお聞きしました。後編では製作について教えていただきます。前編はこちら伝統工芸・長崎ハタに魅了された人【前編】松尾材料の和紙や竹についてはどのようなものを使われているのですか?大久保和紙は基本的に、一枚一枚職人さんが昔ながらの手漉き(てすき)で作られるものを使用しています。同じ一枚の和紙でも、原料である植物・楮(こうぞ)の量が場所によって少しずつ違ってくるので、表面に少し凹凸があるのが特徴です。機械で作った紙のようにつるんとした均一な表面にはなりません。でも、それが手漉きならではの柔らかくて温かい印象になって、味わいとして楽しんで頂けるかなと思います。 松尾和紙特有の繊維が透けて見えている質感、いいですよね。和紙の色は元々からついているのですか?大久保白い手漉き和紙を染めてそれぞれ赤・青・黒と色を付けているんですよ。仲良くしてもらってる他のハタ屋さんに染めてもらっています。松尾白地に色を塗って描くわけではなく、わざわざ染めた紙を切って貼り合わせて作られているんですね。 表も裏も美しく、手仕事の証 大久保そうですね。この作り方も長崎ハタの特徴の一つです。長いハタの歴史の中で、おそらく軽量化のために紙の重なりを最小限にしようと、生まれた工夫なんじゃないかなと思います。ハタをよく知っている人は、綺麗にはぎ合わせられているかどうか、必ず裏を確認されますよ。松尾紙が重なるのりしろを最小限にすることで、より美しく、より自由に風に舞うハタになるんですね。大久保今回販売していただいている「かげ碁盤」の柄は、実はハタの柄の中でも一番というくらい作るのが難しくて、通常の3倍くらい手間がかかるんです。 松尾そうだったんですね!どのようなところが大変なのでしょうか?大久保表から見ても裏から見ても、青の線が綺麗に交差して、白の部分も等間隔になるように作っています。交差する部分が多い絵柄ほど切り貼りする工程が多くなり、技術力を要するのですがこの柄は交差だらけ。工程が増えるほど、糊(のり)と和紙に触れる回数が増えるため、どうしても紙の繊維が毛羽立ったり、他の部分で出た繊維が付着することもあります。最も慎重な作業が必要な柄ですね。 松尾それを聞いてから見ると、さらに愛着がわいてきました。紙の繊維が見えるのは、それだけ手間ひまがかかった職人さんの手仕事の証のようなものですね。骨組みとなる竹ひごも手作りとお聞きしたのですが。 竹も自分で! 大久保そうです。自分で竹を切り出してくるところから始まります。作るハタのサイズによって必要な竹ひごの長さは異なります。節と節の間が求めている長さに足りているか、固さはどうかなど見ながら山を歩き、ちょうどいい竹を切ってくるんです。 松尾そんなところからご自分でされているなんて、驚きました。本当に昔ながらの作り方のようですね。大久保そうですね。その後は火であぶったり、天日干ししたりしながら竹の油抜きをして、しなり具合が左右均等になるように少しずつ削って微調節していきます。実際にハタの骨組みとして使える状態になるまでには、2〜3年もの時間がかかるんですよ。私自身はハタ揚げの時に手ごたえがある方が好きなので、しなり具合がやや硬くなるように仕上げています。 松尾竹ひごだけで2~3年!想像以上の手間と時間がかかっているんですね。てっぺんの竹ひごがフックのように曲がっていますが、これはオリジナルですか?大久保それも長崎ハタの共通の特徴です。私はハンダゴテでぐいっと曲げていますよ。これがあるので、インテリアとしても飾りやすいですよね。いろいろお話しましたが、長崎ハタは揚げてなんぼ。だから、インテリア用でもハタ揚げ用でも、作るときは空に上がったときのことを考えずにはいられませんね。ハタ揚げが大好きだからこそわかる感覚やこだわりをハタ作りの技術にもっともっと活かしていけたらと思います。松尾ハタ揚げの大ファンが自らこだわりぬいて作るハタ、全国の皆さんにお届けできるよう私たちも頑張りますね。長崎観光の際は、ぜひお店に足を運んでいただいて定番柄からオリジナルまで、見ていただきたいです。大久保さん、ありがとうございました。大守屋の店舗・カウンター奥では製作風景が見られることも。途方もない手間ひまがかけられた、ハタ好き自ら作るこだわりのハタは、インテリアのアクセントにぴったり。ぜひお家に飾って、長崎を感じてみて下さい。ミニ長崎凧の商品についてはこちらから↓この記事を書いた人坪井(KOMINKAN JAPAN編集部)

伝統工芸・長崎ハタに魅了された人【前編】

伝統工芸・長崎ハタに魅了された人【前編】

長崎県の伝統工芸品に指定されている長崎ハタ。長崎では凧(たこ)のことを「ハタ」と呼び、ハタ揚げは長崎くんち・精霊流しと並んで長崎三大行事の1つとなっています。また、長崎のハタ揚げは“喧嘩凧”としても有名です。高く揚げて楽しむだけでなく、風を読みハタを操作して糸の切りあいをする真剣勝負。江戸時代から長崎の人たちを熱狂させてきました。KOMINKAN JAPANで販売している長崎凧を製作する、大守屋の主人・大久保学さんもハタ揚げが好きで、ハタに魅了された1人。そんな人が製作するハタとは。商品開発チームの松尾が大久保さんのハタづくりへの想い、こだわりのポイントなどについてインタビューしました。 ハタ好きの作るハタ 松尾ハタを作るようになったきっかけは何だったのですか?大久保もともとハタ揚げが大好きでして。ハタ揚げにハマるうちに、骨(竹)のしなり具合いや組み方、風の受け方などもっとこう改良したいなといった思いが湧いてきて、それで自分用にまずは大きなハタを作ってみようと思ったのが始まりでした。松尾ハタの作り方はどうやって身につけていかれたのですか? 大久保最初は、購入して揚げていた愛用のハタをじっくり見ながら見よう見真似で作り始めました。次々に大きなハタを作っていると和紙の余りがたくさんたまってくるので、それで年末には小さな干支のハタを作って、年賀状代わりに同僚に配ったり、仕事の取引先には名刺と一緒に差し上げたりもしました。 松尾いいですね!干支のデザインのハタってなかなかないですし、ハタの贈り物はかなり喜ばれたのではないですか?大久保いろんな方に喜んでいただきまして、それが嬉しくて。仕事を辞めて何をしようかなと思ったときに、「そうだ、大好きなハタを仕事にしよう」と思ったんですよ。松尾そうだったんですね。ハタを制作するうえで、こだわっていることはありますか? 空に上がった姿を思い浮かべて 大久保ハタは作る人によって骨組みの長さやデザインが少しずつ違うんですよ。私はハタ揚げが好きで始めたので、設計もデザインも空に上がったときのことを想像して大事にしています。基本的に色は白・赤・青で、黒がときどき。長崎ハタの伝統的なデザインを元に、空に上がった姿が威厳のある印象になるように限られた面積の中で色の割合を調節しています。松尾なるほど。手元で見るのと空に上がったときでは、印象が違うんですね。大久保空でも映える絵柄なので、室内に飾ると「よりインパクトが感じられて部屋の雰囲気が引き締まるね」という嬉しい感想もいただきますよ。 松尾そうなんですよね。我が家でも飾らせてもらっていますが、白・赤・青のトリコロールカラーとシンプルなデザインが、洋室にも和室にもいいアクセントになってくれています。色や柄がシンプルだからこそ、空に上がればくっきりと色が映えるんでしょうね。幼いころ、祖母とハタ揚げを見て「山に花が咲いたようだね」って話していたことを思い出しました。(後編に続く)ミニ長崎凧の商品についてはこちらから↓ この記事を書いた人坪井(KOMINKAN JAPAN編集部)

KOMINKAN JAPANができるまで

KOMINKAN JAPANができるまで

常々、店づくりをする上で「いいものをお伝えしたい」と思ってきた。自社が創業30年を迎える頃になり、見た目だけではない本当にいいものをお届けしたいと考えるようになってきた。  しかし「いいもの、それだけでお店を続けていけるのだろうか」この言葉が頭をよぎった。5年ほど前にコーミンカンジャパンの前身でもある、ギャラリーを併設する新しいショップ、コーミンカンを立ち上げようと思った際にも、幾度となく頭をめぐった言葉だった。 不安だった。   その不安は期待に変わった。いいもの、売りたいものを探し、整理していくと、本当に沢山のいいものや素敵な人に出会った。まだまだ知らないことがあるとワクワクした。もしかしたら、季節や節目ごとに整えて、お客様に提案する事ができれば「いいものをお伝えする」という理想を実現し、店も続けていけるのではないか。そうして、「毎月企画展を開催しよう!」という無謀な考えに至ったのであった。  実際、大変だった。そう決めた自分自身はもちろん、自社スタッフやコーミンカン運営に関わる人達にとって、無謀で困難な道だった。しかし、運営していく中で沢山の方の賛同や協力を得られた。コーミンカンのコンセプトを知った作り手さんから、直接「お店におきたい」と連絡をいただいたことも。多くの産地や、作り手さん、作家さん、またお客様との出会いが広がり、今日に至ることになった。 振り返ると感謝の気持ちで一杯になる。 コーミンカンジャパンでは、いいものをお伝えするだけではなく、作り手さんや産地のこと、その土地であるからこそ出来た必然性も一緒にお伝えしていく。日々の暮らしのなかの風習、節目、季節を大切にすることで、なにげない一日を豊かに、楽しく暮らしていけたらという願いを込めて。  豊かさとは何か、をさらに追求できたらと思っている。 代表 城島 薫   関連店舗「KOMINKAN」サイトはこちら

わたしの温活

わたしの温活

わたしのリラックスタイム バタバタと過ぎ去る日々のなかで、わたしにとって夕食後から布団に入るまでが、最も心休まる時間。この時間をどう過ごすかで、翌日の心身のコンディションがずいぶん違う気がします。充実させるために体をきたえたり、勉強したりも憧れますが、いまのわたしには気持ちを穏やかに、ゆっくり過ごすのが合っているようです。あったかいココアや生姜湯、ほうじ茶などノンカフェインの飲み物を用意して、1日のつかれと緊張をほっとゆるめるようにのんびり過ごします。 冷え性と足湯 冬には足湯の出番が増えます。バケツをダイニングに持ち込んで、蛇口から出る熱いお湯をたっぷりと。入浴剤や岩塩、アロマを追加することもあります。普段から体温が低く、腹巻きが手放せない冷え性。お風呂上がりでもすぐに足先が冷めてしまい、寝る直前まで靴下が欠かせない私にとって、足湯は手っ取り早く足先を温められる最善の方法です。 韓国ドラマと読書の時間 足を浸けている間は身動きが取れないので、その間は韓国ドラマや本がおともになってくれます。韓国ドラマは大好きで1〜2話ずつ観るのが自分的ベスト。以前はその中毒性にまかせて睡眠時間を削ってまで連続で観ていましたが、40代に突入すると無理がきかなくなり、ほどほどで画面を閉じるようになりました。秋から冬にかけては読書にハマることが多く、最近はもっぱら柚木麻子さん、若松英輔さんの本。次に読む1冊を探すのも楽しい時間です。 冷え性のプロ?が推薦 そんなわたしがこのショップで一番推したいのは、ご想像のとおり「心身整うセット(温)」。腹巻きパンツ・ジンジャーシロップ・やわらか湯たんぽで構成されたセットを初めて見せてもらった時には、冷え性のプロから見ても完璧なそのセレクトに心を撃ち抜かれました。わたしをどこまでしあわせにするつもりなんだと。 特に注目しているのは、わたしが使ったことのないやわらか湯たんぽ。足がぬれない、そのまま歩ける、保温時間が長いという、足湯の欠点を全て解消した革命級のアイテムです。試着させてもらいましたが、プニプニやわらかい感触はとろけるような心地よさでした。 冷えとメンタル そもそも冷えはフィジカルだけでなく、メンタルからの影響もあるといわれています。「こうあるべき」というような頑なさを手放し、ほどほどに生きることも大切なのだそう。1日のおわり、体を温めることはもちろん、わずかな時間であっても自分の体の声に耳を傾けること。ドラマや本を楽しんだり、心地いいと感じることを実践してみること。こういった過ごし方が丸ごと、わたしにとって大切な温活になっています。 温活にぴったりの「心身整うセット」はこちらから↓   この記事を書いた人KOMINKAN JAPAN編集部

のぞいてみたい! バイヤーの世界 【後編】

のぞいてみたい! バイヤーの世界 【後編】

バイイングを担当する犬塚さんことわんちゃん(男性)に聞いた、レディースを買い付ける難しさとは?ちょっと突っ込んだ後編です。(聞き手:KOMINKAN JAPAN スタッフ) 前編はこちらのぞいてみたい! バイヤーの世界 【前編】 「かわいい」を理解するのは難しい! —接客は先輩に教わったり先輩の姿から学んでいますが、そもそもバイイングは教えてもらうものなのでしょうか? 犬塚さんのケースを教えてください。 犬塚 そうですね...ネット等を見れば大枠の事は載っていますので、まずは自分で勉強しました。行き詰まった時は先輩や仲間に教えてもらったり、相談したりしました。販売のキャリアを積み重ねながら、自分の感覚を磨く感じです。 —行き詰まったのはどんな時だったのですか? 犬塚 正直、女性独特の「かわいい」が良くわかりません。これかわいいよね?って言われても「そうかな~」と疑問に思ったりすることもあります。かわいいの指すものの幅が広すぎて難しいです。ちょっと変なキャラクターを見てもかわいい!ってなるし、シュッとしたかっこいいスタイルの服も、甘い系の服も、どちらも「かわいい」と表現されることがあります。「ええっ、それもかわいいってことになるの!?」と驚くこともあります。 —確かに「かわいい」っていろんなものに対して使ってしまいます。説明が難しいです。 犬塚 自分なりに、その感覚の違いについて考えてみたんです。個人的な見解ですが、男性のものは女性ほどバリエーションがありません。例えば、お洋服のジャンルで言えば、ドルマンスリーブやフレアといった形は、基本的に女性のもの。男性は形のバリエーションがそもそも少ないですよね。親しんでいる心ときめくものの絶対数の多さが、女性特有の「かわいいに反応する感性」を育んでいるのではないかと思います。 身近なところでは、娘がプリンセスのドレスに対してかわいいと言ったり、ドレスを欲しいと言った時に「もうかわいいを理解しているのだなぁ」と思いました。自分は、だったら洋服を買った方がいいのにと思ってしまうんです。 仕事として理解しようと頑張ってはいるものの、正直自信はありません。なので、それが男性でいう戦隊モノの変身ベルトなのかなと思うようにしています。あのベルトの真ん中が回るのを僕らはかっこいい!と感じていたように、女性のかわいいも存在するのだと。 —そうなんですね。でも、他にもレディースを担当する男性バイヤーさんはおられますよね。 犬塚 はい。決して少なくはないと思います。ちなみにレディースブランドでも、メーカーの営業はほとんど男性です。おじさん対おじさんで女性のお洋服の商談を行っていることを時々不思議に思います。 —そうなんですね! なんだか意外です。アパレルって結構男性社会なんでしょうか? 犬塚 いえ、決して女性が少ないわけではありません。ただ、バイイングの現場は展示会なので、特に男性が多いのだと思います。なぜなら、アパレルの営業さんは体力勝負!大きなキャリーケースを持って各会場を渡り歩いて商談されています。そのこと自体がパワーも体力も使います。たくさんの荷物を運び、車の運転もバリバリこなすことが求められるので男性が多いのかと思います。 —確かに! 華やかなイメージばかりでしたが、洋服を詰め込んだ荷物の重たさ、棚卸しで味わっていますので、展示会となればもっと大変ですよね。 KOMINKAN JAPANのバイヤーとしてのこだわり。 —KOMINKAN JAPANのラインナップは、オリジナル商品と、メーカーの製品のセレクトの両方があります。どのようなものを意識的にバイイングされていますか? 犬塚 品揃え的には、商品そのものがものすごく新しい物だったり、トレンド感がある商品ではないです。でも、組み合わせや、提案の仕方によって新しさが出ていたり、贅沢感を味わえたりしますので、そうした商品をバイイングしています。長く使えて、質の良いもの。メーカーのこだわりが詰まっていることは全アイテムに共通しています。 —オリジナルブラックフォーマル「SUMIZUMI」の企画開発も担当されているんですよね。バイイングで培った視点はどのように生かされていますか? 犬塚 バイイングの際に最も大事にしている「着心地」はSUMIZUMIの開発でもこだわりました。長く愛用してもらえるか、アクセサリー、バック、靴などで変化を加えれるか。いろいろ着れるブラックフォーマルにしたくて、色々なシーンを想像しながらディテールを詰めました。動きやすくて着やすい、とてもラインがきれいなブラックフォーマルが完成しました。 —SUMIZUMIみたいなKOMINKAN JAPANオリジナルの商品が増えるといいなと思います。 犬塚 バイイングの経験や、売り場でのお客様の声を反映した商品開発をしていきましょう。 (終)  

のぞいてみたい! バイヤーの世界【前編】

のぞいてみたい! バイヤーの世界【前編】

お店に並ぶ商品は、バイヤーによって買い付けられたもの。今回は、バイイングを担当するメンバーの一人、犬塚さんに話を聞いてみました。前後編の2回に分けてお送りします。まずは前編です。(聞き手:KOMINKAN JAPAN スタッフ) 犬塚 翔悟 通称:わんちゃん プロフィール: 長崎県長崎市出身。高校卒業後、カリスマ美容師の夢を持ち大阪で就職するも挫折。ニート生活を経て、大手アパレルメーカーに就職。2011年、㈱パパスアンドママスに入社。店舗マネージャー、バイヤー業務に取り組んでいる。KOMINKAN JAPANやその他の店舗では主にレディースの洋服のバイイングを担当。   バイヤーの判断基準とは。 —犬塚さんが、この世界に入ったきっかけを教えてください。 犬塚 そうですね...特にこれと言ったきっかけは無いのですが、高校生の時からバイト代やお小遣いを全部洋服につぎ込むくらい洋服が好きでした。 —バイヤーの仕事について教えてください。 犬塚 お客様は普段のショッピングで「手持ちの洋服に合うかな?」「使い勝手はよいかな?」「価格は適正かどうか」など、さまざまな事を考えていらっしゃると思います。バイイングは仕事でするショッピングですが、その感覚はお客様がお洋服を買うのと変わりません。買い付けたものがお客様の目に触れることになるので「コーディネートしやすいものがいいなぁ」「手入れは楽なものだといいなぁ」と、お客様に喜ばれるポイントを頭に置きながら買いつけています。 —バイイングはどのタイミングで行われるのでしょうか? 犬塚:メーカーにもよりますが、展示会や商談で2~4ヶ月先の商品のオーダーをします。インポートの商品だと半年前や1年前になる時もあります。平均して売り場に並ぶ4~6ヶ月前に商品のサンプルなどをみて注文をします。現在、取り扱いがあるメーカー約100社の商品から、セレクトして行きます。 —犬塚さんがバイイングの際に大事にしていることは? 犬塚 写真はかなり良く見えますし、素材感やサイズ感は実際に見ないとわかりません。皆様もネットでお買い物したら思っていたより...があると思いますが、それと同じです。バイイングしたものは基本的に返品が出来ないので、必ず自分で見てから買い付けると決めています。いくら他社で売れてると聞いても、自分の目で見てからです。 —セレクトのポイントはどのようなところなのでしょうか? 犬塚 デザインも大事ですが、1番は着心地だと考えます。そこでちょっと疑問に思われると思うのですが...気になることがありますよね? —正解がわかったかも...。犬塚さんはレディースを試着できないということでしょうか。 犬塚 正解です。試着できないんです。なので、同行する女性スタッフにとことん試着してもらっています。試着って本当に疲れるんですよね。皆さんもお買い物の際に何着か試着するだけで体があたたまってきたなんてことがあるのではないでしょうか。疲れるだろうなぁと思いつつ、どんどん試着してもらっています。 デザインよりも重要視していること。 —試着の時は特に何をチェックされていますか? 犬塚 デザインも含め、チェックポイントはたくさんありますが、特に大事にしていることが2つ。1つ目は着やすさ。着る時の袖通しが良いか、頭は入りやすいか。パンツやスカートは履きやすいかなどを確認しています。流行りに左右されず長く愛用して頂きたいので、着心地にはとことんこだわりたいです。2つ目は、値段と商品があっているか。値段が高くても見た目がそれにともなっているかや、その分の付加価値があるかをチェックします。安価でも、見た目がお値段以上に感じられるものもあります。 —いちばんは着心地なのですね。なぜでしょうか? 犬塚 自分もそうなんですが、やはり着心地が良くない服は、どんなにデザインが良くても着なくなっていくという実感があります。僕らの店舗は「良いものを長く着てもらいたい」と考えています。だから着心地を重視し、さらにそこにメーカーのこだわりが入っているものを選ぶようにしています。KOMINKAN JAPANの商品も、その考えで買い付けたものばかりなんですよ。 —ちなみに、メンズの場合はご自分で試着されていますか? 犬塚 メンズの時は喜んで試着します。メンズの時は自分の好みが出すぎてしまうので、客観的になるよう注意しています。 —流行はどのようにチェックされるのですか? 一般の人は、テレビや雑誌でなんとなくトレンドを手に入れると思うのですが、それより早く買い付けるバイヤーさんは、どこで情報を手に入れられるのでしょうか? 犬塚 各メーカーからの情報収集です。メーカーは違ってもデザインやカラーが似たような商品になっていたりするので、そこで「今度の流行」の情報を得ています。ただメーカーも最初は手探りで商品をつくるので、それだけに頼らないように心がけています。 (後編に続く)  後編はこちらのぞいてみたい! バイヤーの世界 【後編】

25歳の私が喪服と出会うまで

25歳の私が喪服と出会うまで

実はついこの間まで喪服を1着も持っていなかった25歳の私。   今までお葬式にいくときの服装はどうしていたのかというと、制服やら就活の真っ黒スーツやらでなんとかやり過ごしていました。"なんとか”なので、制服はよくあるにしても、真っ黒スーツでいくときはなんか黒のトーンは違うし、とりあえずその場を取り繕った感じが否めなくて少し恥ずかしいと思っていました。あと、何もない時に喪服を買っておいた方がなんとなく何も悪いことが起きない気がするので、早く買っておきたいなと。そんな思いもありつつ、とりあえず喪服をきちんと買わないといけないなと思って、社会人になってすぐの頃、大型商業施設や百貨店を見にいったことがあります。喪服って急にしかも時間がない中で購入しないといけないイメージだったので、ふとタグを見た時に想像以上の金額の高さに衝撃を受けました。私はそもそもお洋服を買うことにとても慎重で、金額に関係なく、何度も見て試着して検討して、納得して購入することがほとんどです。なので、こんな高額なものを妥協してなんて購入したくない!と瞬時に思ったことを今でも覚えています。でも、もし「明日喪服が必要!」という場面だったら、気に入らないデザインであれ高価であれ、買わなくてはいけなかったんですよね。やっぱり、喪服は事前にゆっくり準備しておくのが吉だと思いました。それから結局納得する喪服に出会えぬまま、周囲に不幸もなく数年が経過。そして今回、喪服を持たない私が弊社のブラックフォーマルのプロジェクトについて取材することに。 メーカーのロダンさんでは、今回仕上がったブラックフォーマルを試着する役が回ってきました。 鏡に映る自分の姿を見た瞬間。「綺麗、買いたいな」という言葉が、口をついて出ていました。それも「買いたいな。」は結構本気で。  今まで喪服ではみたことのないシルエットの美しさだったので、つい心の声が漏れたように思いました。ブラックフォーマルで綺麗とはどういうこと?と思うかもしれませんが、かなり痩せ型で、お洋服を綺麗に着られることが少ない私には衝撃的なシルエットの美しさだったんです。体型の違う他のスタッフが着てもすごくシルエットが美しくて。「こんな喪服見たことない」と驚きでした。 購入したお洋服とは長く付き合って何回だって着たいし、「死蔵衣服」にはしたくない。高額ならなおさら着なければもったいないとも思います。喪服の場合、出番が少ないからそこは諦めなければならないのかと思いきや、結婚式なんかのお呼ばれにはもちろん、普段のちょっときれいめスタイルの時にも着られるらしい。しかも、クリーニングに出さず自宅で洗える! もう、これは買うしかないと思いました。この日のために、私は喪服を買わずにいる運命だったのだ、とすら。 今回、このブラックフォーマルプロジェクトに関わってみて、今までにない喪服に対する驚きがありました。冠婚葬祭、人生の大切な節目だからこそ自分らしくいられる服で臨みたい。自分の服装に気をとられず、一生に一度のお別れやお祝いの相手に100%を注ぎたい。 そのためにはやっぱり、事前にきちんと選んで準備しておくって大切だなと思いました。 社会人になったのに喪服を持たずにごまかし続けてきた25歳の私が、ようやく出会えた「運命の1着」。いろんなアクセサリーやシューズを変えて、幅広いコーデで楽しんでみたいと思います。   詳しくはこちら↓ KOMINKAN JAPAN オリジナルブラックフォーマル sumizumi   この記事を書いた人坪井(KOMINKAN JAPAN編集部)