のぞいてみたい! バイヤーの世界【前編】
KOMINKAN JAPAN Special Issue

のぞいてみたい! バイヤーの世界【前編】

お店に並ぶ商品は、バイヤーによって買い付けられたもの。
今回は、バイイングを担当するメンバーの一人、犬塚さんに話を聞いてみました。
前後編の2回に分けてお送りします。
まずは前編です。
(聞き手:KOMINKAN JAPAN スタッフ)

犬塚 翔悟

通称:わんちゃん

プロフィール:

長崎県長崎市出身。
高校卒業後、カリスマ美容師の夢を持ち大阪で就職するも挫折。
ニート生活を経て、大手アパレルメーカーに就職。
2011年、㈱パパスアンドママスに入社。
店舗マネージャー、バイヤー業務に取り組んでいる。
KOMINKAN JAPANやその他の店舗では主にレディースの洋服のバイイングを担当。

 

バイヤーの判断基準とは。

—犬塚さんが、この世界に入ったきっかけを教えてください。

犬塚 そうですね...特にこれと言ったきっかけは無いのですが、高校生の時からバイト代やお小遣いを全部洋服につぎ込むくらい洋服が好きでした。

—バイヤーの仕事について教えてください。

犬塚 お客様は普段のショッピングで「手持ちの洋服に合うかな?」「使い勝手はよいかな?」「価格は適正かどうか」など、さまざまな事を考えていらっしゃると思います。バイイングは仕事でするショッピングですが、その感覚はお客様がお洋服を買うのと変わりません。
買い付けたものがお客様の目に触れることになるので「コーディネートしやすいものがいいなぁ」「手入れは楽なものだといいなぁ」と、お客様に喜ばれるポイントを頭に置きながら買いつけています。

—バイイングはどのタイミングで行われるのでしょうか?

犬塚:メーカーにもよりますが、展示会や商談で2~4ヶ月先の商品のオーダーをします。インポートの商品だと半年前や1年前になる時もあります。平均して売り場に並ぶ4~6ヶ月前に商品のサンプルなどをみて注文をします。現在、取り扱いがあるメーカー約100社の商品から、セレクトして行きます。

—犬塚さんがバイイングの際に大事にしていることは?

犬塚 写真はかなり良く見えますし、素材感やサイズ感は実際に見ないとわかりません。皆様もネットでお買い物したら思っていたより...があると思いますが、それと同じです。バイイングしたものは基本的に返品が出来ないので、必ず自分で見てから買い付けると決めています。いくら他社で売れてると聞いても、自分の目で見てからです。

—セレクトのポイントはどのようなところなのでしょうか?

犬塚 デザインも大事ですが、1番は着心地だと考えます。
そこでちょっと疑問に思われると思うのですが...気になることがありますよね?

—正解がわかったかも...。犬塚さんはレディースを試着できないということでしょうか。

犬塚 正解です。試着できないんです。
なので、同行する女性スタッフにとことん試着してもらっています。試着って本当に疲れるんですよね。皆さんもお買い物の際に何着か試着するだけで体があたたまってきたなんてことがあるのではないでしょうか。疲れるだろうなぁと思いつつ、どんどん試着してもらっています。

デザインよりも重要視していること。

—試着の時は特に何をチェックされていますか?

犬塚 デザインも含め、チェックポイントはたくさんありますが、特に大事にしていることが2つ。
1つ目は着やすさ。着る時の袖通しが良いか、頭は入りやすいか。パンツやスカートは履きやすいかなどを確認しています。流行りに左右されず長く愛用して頂きたいので、着心地にはとことんこだわりたいです。
2つ目は、値段と商品があっているか。値段が高くても見た目がそれにともなっているかや、その分の付加価値があるかをチェックします。安価でも、見た目がお値段以上に感じられるものもあります。

—いちばんは着心地なのですね。なぜでしょうか?

犬塚 自分もそうなんですが、やはり着心地が良くない服は、どんなにデザインが良くても着なくなっていくという実感があります。
僕らの店舗は「良いものを長く着てもらいたい」と考えています。だから着心地を重視し、さらにそこにメーカーのこだわりが入っているものを選ぶようにしています。KOMINKAN JAPANの商品も、その考えで買い付けたものばかりなんですよ。

—ちなみに、メンズの場合はご自分で試着されていますか?

犬塚 メンズの時は喜んで試着します。メンズの時は自分の好みが出すぎてしまうので、客観的になるよう注意しています。

—流行はどのようにチェックされるのですか? 一般の人は、テレビや雑誌でなんとなくトレンドを手に入れると思うのですが、それより早く買い付けるバイヤーさんは、どこで情報を手に入れられるのでしょうか?

犬塚 各メーカーからの情報収集です。メーカーは違ってもデザインやカラーが似たような商品になっていたりするので、そこで「今度の流行」の情報を得ています。ただメーカーも最初は手探りで商品をつくるので、それだけに頼らないように心がけています。

(後編に続く)

 後編はこちら
のぞいてみたい! バイヤーの世界 【後編】