YOKKA
STORY 02 久留米絣(くるめかすり)を作る人 2. YOKKA 第1弾 久留米絣のアイテム —前編—

YOKKA(ヨッカ)は、全国各地で織られる質の高いローカルな生地が主役の、KOMINKAN JAPANのブランドです。第1弾として登場するのは久留米絣(くるめかすり)。1話目に登場していただいた、久留米絣の織元・坂田織物さんの協力で完成した、4つのオリジナルアイテムについて、弊社のバイヤー・マネジャーでもある商品開発担当 山口に話を聞きました。

YOKKAとは

坪井 聞き手は入社1年半、ネットショップの広報担当、坪井です。今回KOMINKAN JAPANでブランド「YOKKA」を立ち上げました。どういったブランドなのか教えてください。

山口 YOKKAは、全国各地で織られるローカルな生地が主役の、KOMINKAN JAPANのブランドです。私たちが長年積み重ねてきた実店舗での接客経験、バイイング経験を活かし、その生地のよさが存分に感じられるオリジナル製品を企画し、提案していきます。

坪井 生地を主役にしたブランドを作ろう、というアイデアはどこから生まれたんですか?

山口 私はここ数年、長崎にある実店舗ライフスタイルショップのKOMINKANで、バイヤーを担当していて、全国各地のたくさんのプロダクトと作り手さんに出会いました。 なかでもたくさんの人が関わって織られる「織物」には、特別なものを感じました。ひと目見て純粋にかわいいと感じて、心ときめくものが多くて。この生地でこんなアイテムがあったらという夢も膨らみました。織物の可能性に純粋に魅了されたのがきっかけですね。 すてきな織物を感じ、その製品を通して生地と使い手との新しい出会いを作ること。それが作り手と産地を守ること、本当にいいものを残すことにつながるという、未来のための取り組みにもなればと思っています。

久留米絣を選んだ理由

坪井 YOKKA 第一弾の生地として、久留米絣を選んだのはなぜでしょう?

山口 私たちの住む九州が誇る伝統の生地だという点に加えて、実店舗で販売させていただきながら、一度使うとリピーターになってくださるお客さまが多いこと、同じく久留米絣ファンのスタッフが社内に多いという理由も大きかったです。 丈夫な綿の素材は、やわらかくて吸水性が高くて、触れるたびに肌が喜ぶのを感じる心地よさです。久留米絣で作られたもんぺには、日中も寝る時にもずっと履いていたくなるような魅力があります。もちろん絣らしいかすれた模様の雰囲気、自然で豊富な色合いも人気の理由の一つですね。

山口 久留米絣は、図案通りの模様になるように糸の長さをそろえ、糸をくくって染め上げてから、織り機にかけて織るという、途方もない手間暇のかかる織物です。数十もの工程を経て、たくさんの人の手や想い、時間が加わって作られるからこその心地よさ。これを、全国の皆さんにも伝えられたらなと思っています。

オリジナル商品を紹介

坪井 今回、久留米絣の織元・坂田織物さんの協力のもと完成したオリジナル商品について、1つずつ見ていきたいと思います。ストール、あづま袋、ハンカチ、ふろしきの4つですね。どうしてこのアイテムを作ることになったのですか?

山口 坂田織物さんと相談しながら、これまで久留米絣を使ったことのない方にも手に取りやすい、身近に置いて楽しみやすいアイテムという視点で、商品を企画しました。久留米絣の生地のよさと色や柄の美しさを、存分に楽しめるような生地使いにもこだわってます。

洋服にも和服にも合うストール

坪井 まずはストール。7種類ありますね。

ストール一覧

山口 どんなコーデにも合わせやすいように7種類を準備しました。基本的に無地と模様を半分ずつという組み合わせです。久留米絣らしい柄を先に選んで、その柄を生かすような主張しすぎない無地を合わせました。柄の出し方を自在に変えられるので、1枚で何パターンものコーディネートが楽しめるアイテムです。 普段の洋服にはもちろん、伝統のかすりを和装の羽織りとして使ってもらえるように、一般的なストールより大きめサイズで仕上げました。色味をプラスできるので、着物コーデの幅も広がるかなと思います。少し寒い時は、ひざ掛けやアウター代わりにもいいですね。小さくたためるので持ち運びもしやすいです。ベッドやソファに掛けて、部屋の雰囲気を変えるのにもおすすめですよ。

おそろいコーディネート、推し色コーデにも

坪井 今回、ストールとあづま袋は、あえて同じ色の展開にされましたよね。

山口 はい。生地は同じものを使いました。ストールとあづま袋を一緒に組み合わせて、コーデを楽しんでもらえるようなバランスに仕上げています。それに加えて久留米絣をご存じの世代も、初めて手に取るという若い世代の方も含めて、家族や仲間、みんなで一緒に楽しんでもらえたらいいなという思いも込めています。

坪井 なるほど。例えばお母さんはストールで娘さんはあづま袋、カップルや仲間におそろいのあづま袋をプレゼント、同じ推しのいる友達と「推し色」コーデとかいいですね。さりげなくオシャレなおそろいができるって、うれしいです。

山口 若い世代にはもちろんですが、ご年配の方にも「昔はおばあちゃんのイメージだったけど、久留米絣って今こんなにオシャレなのね」と喜んでもらいたいなと思ってます。


織物の可能性を感じる、味わえるブランドYOKKA。これからも楽しみです。久留米絣のアイテムはプレゼントにも喜ばれそうですね。次回は、YOKKA 久留米絣のオリジナル商品についてのお話 —後編— です。

坂田織物のかすりを身近に感じてもらえる、オリジナルのアイテムの数々。こちらからご覧ください。

メーカー情報

有限会社 坂田織物

1948年福岡県で創業。伝統を守りつつも、新柄絣の製造や婦人服・雑貨などの商品化を行っている。

ウェブサイト

STAFF LIST

Planning
Yamaguchi Kayo
Planning
Inuzuka Shogo
Writer
Tsuboi Shiina